おなかの子どもを愛せない

妊娠がわかった時、私もたしかにうれしかった。エコー写真を見て、心が躍った。

 

でも、心の中にもう一人の私がいるように感じる。

もう一人の私は、おなかの赤ちゃんの存在を愛せないでいる。せり出してくるおなかを、直視できないでいる。

私の気持ちなんておかまいなしに、私の栄養をうばってどんどん大きくなっていく赤ちゃんに、

圧迫されそうになる。

こんなふうに思うのは、私だけかな・・・誰にも相談できないや。

私は、妊娠の時こんなふうに考えていました。

くびれのなくなっていくおなか、ちょっとこわかった。

 

体重を増やさないように気を付けていた私は、いつも空腹感を感じていました。

(妊娠中って、おなかが減るんです)

それなのに私の気持ちなんておかまいなしに、赤ちゃんは私の栄養をどんどん吸収して

大きくなっていきます。

私の中で、わがもの顔でどんどん大きくなって存在感を増していく赤ちゃんに

心も体も乗っ取られるんじゃないかって、ゾワゾワとした恐怖を感じたこともあります。

 

誰にも相談できませんでした。

そんなこと、母親学級でも、マタニティ雑誌でも触れられていませんでしたから。

妊娠中に こんなネガティブな感情が起こるなんて、

私はなんてヤツなんだろうと思いました。

 

胎動があった、赤ちゃんが成長した、性別がわかった、そんな喜びもありました。

しみじみと妊娠の喜びを感じることもありました。

だからこそ よけいに、

赤ちゃんのことを素直にかわいいと思えない自分がいることが

嫌で嫌でたまりませんでした。

 

わが子をかわいいと思えないママは多いということを知ったのは

バーストラウマの勉強を始めてからでした。

みんな人知れず悩んでいたのだとわかって、少し、いえ、かなりほっとしました。

 

どうして、こんな気持ちになるのでしょう。

 

実は、ママ自身が赤ちゃんだった頃、

「わたしは愛されていないんだ」「必要とされていないんだ」と

思い込んでしまったのです。

 

子どもはいらない、という会話を聞いたのかもしれない。

堕ろそうかどうしようか迷っている母の気持ちを 感じてしまったのかもしれない。

父と母がケンカしている様子を 自分のせいだと感じたのかもしれない。

生まれてきたのが女の子だとわかって がっかりされたのかもしれない。

生まれてから何らかの理由で、母と長く離れていた時間があったのかもしれない。

 

おなかの中にいた頃、生まれて間もない頃、

あなたは実母のネガティブな想いを受け取ってしまったのです。

 

それが、自分の妊娠をきっかけとして揺り起こされ、

あなたの感情を心の底から揺さぶるのです。

 

おなかの子を愛せない、と感じていたのは

あなたではなく、あなたの母だったのかもしれません。

あなたは、その感情をおなかの中で受け取ってしまっただけなのかもしれません。

 

その想いを手放しましょう。

 

まず、胸の中に赤ちゃんだった頃のあなたをイメージしましょう。

その赤ちゃんをどう感じますか?

いい・わるいをつけず、そのまま感じてみましょう。

そして、その赤ちゃんに語りかけます。

 

あなたのことを愛しているよ

あなたが生まれてきてくれてよかった

 

そう思うことに抵抗を感じるなら、

「それはお母さんの気持ちだったんだよ。あなたが引き受ける必要はないよ」と

それをタマネギの皮のようにスルンと剥いていきましょう。

 

胸の中の赤ちゃんと十分にコミュニケーションをとってみましょう。

最初は抵抗を感じるかもしれませんが、

気長に続けていくうちに、赤ちゃんへ語りかけることが自然にできるようになっていきます。

 

そうしたら、同じように

おなかの赤ちゃんへ向けて語りかけてみましょう。

 

あなたのことを愛しているよ。

イライラしているけど、あなたのせいじゃないよ。

今、怒っているけどこれはママの気持ちであなたの気持ちじゃないよ。

生まれてくるのを楽しみに待っているよ。

 

そんなふうに、コミュニケーションをとってみましょう。

 

 

もう、赤ちゃん産んだ後です!

もう子どもが大きくなってしまった後です!

過去は取り戻せません、どうしたらいいでしょう!

という方は、

イメージの中で妊娠中に戻り、同じように語りかけてみましょう。

妊娠中の写真や、赤ちゃんの頃の写真があったら

イメージしやすいかもしれません。

トライしてみて下さい。